だめんずばんざい
Notだめんず、でもばんざい!!




あらゆる種類の酒を買ってきたガクトを見て

「店…するの?カフェラウンジよりたくさんありそうなんだけど…?」

マンションのフロア、抜け落ちないよね?と思う。コンシェルジュに台車を借りて部屋まで様々な瓶と缶を持って上がってきた彼は

「ドカ~ン、ドカ~ン」

と言いながら玄関に酒を下ろすと台車を廊下に置いたまま入ってきた。

「返さなきゃ…」
「コンシェルジュがすぐに取りに来るって」
「そう…」
「冷えてるのはこっち側。あとは常温」
「とりあえず…冷えてるのは何があるの?運びながら見ようか…」

ビール、日本酒、スパークリングワイン、各種ワイン、酎ハイが冷えているようだ。常温でウイスキー、焼酎、梅酒…

「これ何?アップルワイン?ワイン?」
「リンゴを使って作られたワインに、リンゴブランデーを加えてブランデー樽で熟成させた原酒らしいから、ワインのようには飲めないよ。炭酸で割ってもお湯割りでも、あとはがっつり氷を入れてロックでもいいって教えてもらった。アイスにかけても美味しいって」
「おお…美味しそう。ご飯も簡単なつまみが和洋中って感じだから、いろいろ飲んでみよっと」
「いいねぇ。着替えてくる」

私は混ぜるだけのようなつまみを高速で仕上げることにする。メインは駅近くのスーパーで買ったコロッケと焼き鳥だ。トマトを一口大に切りしらすと混ぜごま油をまわしかけて再び混ぜる…はい、出来上がり。しらすの塩気とゴマ油で美味しいこの一品は私が小学校2年の時に祖母が教えてくれた。
< 170 / 195 >

この作品をシェア

pagetop