俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
過去のライバル
 翌日、今度は暁が緊張気味だ。普段の自信満々の暁からは考えられない落ち着きのなさ。

「大丈夫?」

「ああ。こんなに緊張するのは生まれて初めてかも知れない……」

 数々の著名人を相手にしてきたが、こんなに緊張した事はない。

「今日は家族全員揃ってるって言ってたよ。会ってほしい人がいるとしか伝えてないけど大丈夫?」

「あ、ああ」

 暁の実家では芹の紹介は無事終わり、予想以上の喜びだった。更には駿によって引っ越しも終わっている。ここまで順調に来て、反対されるわけにはいかない。

 芹の実家にもメロンケーキでいいか聞いたのだが、高級すぎると言われた。しかも、洋菓子より和菓子が好きだという。

 昔から馴染みの『長谷屋』の若旦那に、今回は特別に個人的にお願いをしておいた。和菓子王子と呼ばる若旦那は見た目だけでなく実力もあり、繊細な和菓子の数々は若い世代までこぞって買いに来る人気店なのだ。

 この大事な日には、和菓子王子の和菓子に頼りたい。
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