俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
謎の女
 新城堂は、グループ全体の定時が18時に統一されている。会社全体で残業は少ない方だが、海外との連絡が必要で遅くなる部署は、フレックスタイムを採用している。

 だが、社長の暁は毎日遅くまで残っている。しかも、社長室のある最上階から地下駐車場まで、直通の専用エレベーター使うため、あまり社員の前に姿を現さない。

 今日のように、外出先から戻ってくる時にエントランスを通るだけで注目を浴びるくらい珍しいのだ。

「駿、もうすぐで定時だ」

「はあ!?定時??」

 駿が驚くのも無理はない。定時を意識したことも、定時に帰ったこともないのだから……。

「ああ。ちょっと行ってくる」

「どこへ?」

「芹のところ」

「…はい!?何言ってんだ?」

「だから、芹を捕まえる」

「どうやって?」

「女子ロッカーのある5階の廊下で待ち伏せしたいところだが、流石にちょっとマズイよな……」

「当たり前だ!社長自らストーカーにでもなるつもりか?」

 暁の非常識な発言に駿は素で答える。




 
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