とある悪役令嬢は婚約破棄後に必ず処刑される。けれど彼女の最期はいつも笑顔だった。
side 悪役令嬢
 両手を鎖に繋がれた私は、地下牢から長い階段を登り、日の当たる場所――処刑台へと連行された。
 私の最期の瞬間を見届ける為に、集まった人達からは歓声が沸き起こった。
 誰もが「ざまぁみろ」と指差し、私が死ぬ事を喜んでいる。

 繰り返す世界の中で、私の末路はいつもこの場所。
 それでも私は、最期の瞬間だけは必ず笑顔を見せた。
< 1 / 24 >

この作品をシェア

pagetop