恵茉と出会ってから迎えた最初の休日に柳沢家を訪れて結婚の許しを請うと、彼女の母親と継父はあっさりと了承してくれた。

 それもこれも恵茉が事前に、政略結婚ではあるけれど俺に一目惚れをしたと言ってふたりを説得していたからだ。

 だから俺も彼女をひと目で気に入ったと嘘をつき、場を丸く収めることができた。

 いや、嘘とは言えないか。

 夢や動物について語る彼女の愛らしい笑顔は魅力的だったし、地に足をつけて生きようとする人柄に惹かれた。

 家族しか知らないけれど俺も無類の動物好きで、似た者同士の恵茉となら楽しい結婚生活が送れると直感で思ったからプロポーズしたのだ。

 そうじゃなければ、さすがに出会ったばかりの女性に結婚を申し込むなんて常軌を逸した行動は起こさなかった。