こころが揺れるの、とめられない
こころ、もやもや

-1-



綾人から助言をもらってからというもの。

心が、嫌な音を立てている。

喉になにかがつっかえたような感覚がずっと続いたまま、気づいたら授業は終わり、あっという間に放課後になっていた。


——三澄くんに、好きな人ができたなんて。

いったい、いつからなんだろう。


あれだけ、恋愛のことはよくわからないからって顔して、わたしにヘンな質問をしてきてたのに。

教えてくれないなんて、水臭いよ。

一昨日だって、告白の返事ははっきりしたほうがいいよって、言ったばっかりで……。


と、そこまで考えて、わたしはあれ? と思った。


……もしかして、わたしが注意したせい……?

女の子を期待させないための断り方を、三澄くんなりに考えたってことなのかな。


心にかかったモヤが、少しだけ薄れた。


……けれどすぐに、ひとり歩きしている噂や、女の子たちに敵意を向けられていることに思考がチェンジして。

再び、わたしの気分は陰る。

< 135 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop