こころが揺れるの、とめられない

-2-



「……上村さん。具合でも悪い?」

「え?」

「なんか、いつもと違う感じがする」


向かいから、キャンバス越しに、三澄くんが伺うように顔を覗かせた。


……三澄くんの観察眼は、相変わらず鋭いみたい。

わたしはぐらかす気にもなれなくて、「うん、ちょっと」と苦笑した。


「今日はもう、切り上げようか」

「えっ。……そんな、そこまでは大丈夫だよ」

「俺がよくないよ」


きっぱりと言われて、言葉に詰まる。


……そうだよね。

調子悪い雰囲気を醸し出しちゃってたなら、三澄くんの絵にも、影響が出ちゃうよね……。


心の中で反省していると、


「普通に、心配だから」


三澄くんが筆とパレットを置き、こちらに歩み寄ってきて、……わたしの目の前に、しゃがみこんだ。

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