こころが揺れるの、とめられない
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「……上村さん。具合でも悪い?」
「え?」
「なんか、いつもと違う感じがする」
向かいから、キャンバス越しに、三澄くんが伺うように顔を覗かせた。
……三澄くんの観察眼は、相変わらず鋭いみたい。
わたしはぐらかす気にもなれなくて、「うん、ちょっと」と苦笑した。
「今日はもう、切り上げようか」
「えっ。……そんな、そこまでは大丈夫だよ」
「俺がよくないよ」
きっぱりと言われて、言葉に詰まる。
……そうだよね。
調子悪い雰囲気を醸し出しちゃってたなら、三澄くんの絵にも、影響が出ちゃうよね……。
心の中で反省していると、
「普通に、心配だから」
三澄くんが筆とパレットを置き、こちらに歩み寄ってきて、……わたしの目の前に、しゃがみこんだ。