こころが揺れるの、とめられない

-2-



わんわん泣いていたい気持ちがどこかへいってしまうくらいの、わたしの、気がかりなこと。

それは、言わずもがな——。


「三澄に見られた、って……」


わたしの口から告げられた衝撃の事件に、さやちんは、ポロ、と唐揚げをお箸から取り落とした。


「情けない一部始終を、ぜんぶ」

「それはまた……。かわいそうに」


あちゃあ、というさやちんの顔に、わたしは思い出し羞恥に襲われる。

あの時の恥ずかしさがぶり返し、食べかけの卵焼きをお弁当箱に戻して、わあっと顔を覆った。


「きっと、ひとりごとも聞かれてた……」


そう。
あのとき。

『好きになんて、なるんじゃなかった』

わたしは、確かに口に出してしまったんだ。


つまり、あの場にいた三澄くんには。
わたしがどうして泣いているのか——その理由に、だいたいの検討がついてしまったと思う。


失恋して、わんわん泣いて。

ぐちゃぐちゃな顔も見られちゃって。


「面白がって言いふらされたりしたら、わたしの学校生活は終わりだよぉ……」

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