ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
「ええ。はっきりどこが悪いってわけじゃないんだけど、病院の経営でいろいろストレスを抱えているから」

 俺は父が四十のときにできた子だから、父はもう七十二歳になる。あちこちガタがきてもおかしくない年齢だ。

「そろそろ本気で考えてくれないかしら。もちろんすぐにとは言わないわ」

 いつかは病院を継ぐつもりでいた。

 その旨は今の病院にも伝えているし、常勤でなくなっても、曜日を決めて通えばいいと話はつけてある。

「考えてみるよ」

「よろしくね」

 母は心底ホッとしたように微笑んで、肩の力を落とした。




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