イノセント*ハレーション
#4 体育祭、好きとか、嫌いとか
あっつい...。

暑くて溶けてしまいそう...。


一夏でうっすらと焼けた肌を恨めしく思いながら学校までの坂道を登る。

夏休みはあっという間に過ぎ、今日から新学期だ。

久しぶりに制服姿の学生を見た。

というのも、花火大会が終わった後は誰とも会わなかった上に、帰宅部のあたしは連日バイトばかりで学校とは縁遠い生活をしていたから。

大きなバックを肩から下げた野球部だと思われる生徒は真っ黒く日焼けしていて、その隣を歩く楽器ケースを背負った色白の女子との肌の差にばかり目がいってしまう。

あたしは真夏を越えてちょっとだけ様子が変わった学生達の観察を楽しみながら足をせっせと動かした。

やっと屋根のあるところまで来られたと思ったら人の多さに驚き、若干酔い、なんとか上履きに履き替えた。

教室までの階段がさらなる苦行だ。

ここまで来るのにもアキレス腱を酷使したというのに、まだまだ休ませてはくれない。


「はぁはぁ...」


祖母よりも体力がないのではないか。

情けない。

こんな状態では今学期最大のイベントで足を引っ張ってしまいそうだ。

それがやってくるまでには体力をつけておかねば...。


1歩1歩着実に歩みを進め、ようやく教室に到達すると、そこには異様な光景が広がっていた。

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