バランスは崩れた。

 俺に執着を見せ始めた前田希美。
 正直鬱陶しくって仕方がなかったが、それより、美郁には絶対に知られたくないと思った。

 美郁にとって、絶対無二の自分でいたかった。。。
 勝手な言い草だ。

 身勝手な俺の思いは、そこで、大きく崩れた。

 美郁に知られた。
 俺と彼女、もちろん、マンションの部屋で一度もことに及んだことはなかったが、結婚した身の上で、前田希美と身体を重ねた事実はある。

 美郁に言い訳も、何も言えなかった。
 彼女の口から出る俺への失望に怯えていた。

 そんな感情を持つ自分に戸惑う。
 ここで、謝ったら、誠心誠意謝ったら、許してくれるのではないか。

 もし、許してくれなかったら、、、、