初恋幼馴染みに求婚されました
初めての夜と決意
「梨華、着いたぞ」

宗君が私の体をゆさゆさと揺らす。
しかし飲み過ぎた私はその振動に気付かない。

「ん……」

彼が私を何度か呼ぶことは遠くで聞こえるものの、意識はしっかりしない。
すると体がふっと浮いて体が軽くなった。

宗君が私を抱きかかえたからだ。

普段であれば慌てふためくに違いないが、今は夢の中。



次に目を開けた時、寝室のベッドに寝ていることが不思議でたまらなかった。

どうしてベッドに__?

ゆっくりと体を起こすと、宗君がベッドサイドに腰掛けて、私の顔を覗き込んだ。

「梨華、大丈夫か?」

彼の声はとても優しくて胸がキュンと震える。

「梨華?」

「宗君……」

ひどくかすれた声が出た。

「ちょっと待ってろ、水持ってくるから」
 
彼は寝室からいなくなるもすぐに戻ってきて、ペットボトルの水を蓋を開けて差し出した。

「飲めるか?」

「うん、ありがと」

コクっと頷き、それを手に取り一口飲む。

喉が渇いていたようでゴクゴクと続けて飲みはじめるのだが、傾けすぎて口の端から水が零れてしまった。
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