魔女のガールズトーク・わがままな純愛(おまけの小話)

本当の結婚式

「ケイレブ?・・・待って?」
ユリアのエメラルドの瞳が、
揺れた。

ケイレブの頬は上気して、紅く染まっている。
その瞳は、穏やかなブラウンではない。
別の強い感情が、宿っていた。

「サリナスの隣に立つのが、
許せない!
ユリア、君はサリナスに
微笑むのだろう!」

そう言い放つと、
ケイレブは片ひざを、強引に
ユリアの両ひざの間に割り込ませた。

ユリアは、ケイレブをなだめるように、
しかし、焦りを含んだ声で

「ケイレブ?よく聞いて?
あなたも、わかっているでしょう。
私は、儀式の時だけで・・」

ケイレブが叫んだ。
「それでも、だめだっ!」

「婚姻の儀式が終われば・・
ちゃんと話し合うから、
ケイレブ!」
ユリアの声に、緊張感が走った。

「話し合いなんて、必要ないっ!」

ケイレブは、ユリアの耳たぶを、そっと噛んだ。
それから、唇をゆっくりと、
白い陶磁器のようになめらかな
首元に、はわせていく。

ユリアの体が硬直し、息を呑むのが感じられる。
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