公爵の娘と墓守りの青年
二章 墓地での出来事と王の憧れ
昔々、緑豊かで、美しい女神が守護をする国、クウェール王国がありました。
その国の隣の小さな山に全てが白い、悪魔がいました。
クウェール王国は緑や資源が豊かで、名前も何も持たない『白い悪魔』と呼ばれる悪魔は、美しい女神が守護をする豊かな国のクウェール王国を欲しがり、何度も何度も襲い続けました。
クウェール王国の守護をしていた美しい女神は、国を襲う悪魔にとても心を痛めていました。
そんなある日。
クウェール王国の王都から北に位置する街から心優しい勇敢な赤い髪、水色の目をした騎士がやって来ました。
その騎士は部下と共に幾度も襲ってくる『白い悪魔』から、クウェール王国を必死に守りました。
心優しい勇敢な騎士と国を守る美しい女神はいつしか恋に落ちていました。
騎士は愛する女神と国を守るため、『白い悪魔』と戦いました。
何日も戦いは続きましたが、騎士はついに『白い悪魔』を倒しました。
戦いを見守っていた女神と王様や国の人々は喜びに沸き上がりました。
しかし、『白い悪魔』を倒した騎士も大怪我を負ってしまい、その場に力尽きて倒れてしまいました。
女神達は大いに悲しみ、死んでしまった騎士を生まれ育った街に丁重に葬りました。
悲しみに暮れた人々は、国を守ってくれた騎士を忘れないために、彼が生まれ育った街に彼の名を付けました。


その街の名は――カエティスという……。
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