7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
消えない想い…

 それからお昼を回る頃。
 奏弥は亡くなった女子社員のお通夜に出席する為に、準備があると言って一度会社に行く事にした。

 聖龍の発熱の事は凜には連絡を入れて、熱が下がるまで動かさない方がいいだろうと言う事になり暫く預かる事になった。
 ちょうど、凛太朗が発熱していて寝込んでいる所だった為タイミングがよかったようだ。


 奏弥が出かけた後、聖龍がトイレに起きてきた。

 朝は奏弥が一緒に言ってくれたが、奏弥がいない事を知ると一人で行こうと起きてきた聖龍だが、熱が高く足元がフラフラして思うように動けないようだ。

 バタンと、移動中に倒れる音がして奏が驚いて駆けつけてきた。

 
 トイレの前で倒れている聖龍を見て、奏は真っ青になって駆け寄った。

「聖龍君、大丈夫? 」

 抱きかかえようとする奏を、バシッ! と振り払ってしまった聖龍は、そのまま一人でトイレに入って行った。

 心配で奏はドアの外で様子を見ていた。

 暫く経過してとても静かで、なかなか出てこない聖龍が気になり奏はそっとドアを開けてみた。

 すると、座ったまま聖龍はぐったりとなっていて。

「聖龍君? 大丈夫? 」

 奏が声をかけるとピクっと目を開けた聖龍だったが、高熱で視界が揺らいでいるようだ。

 とりあえず用はすんだようで、奏は聖龍を抱きかかパンツとズボンを上げて、そのままトレイから出た。

 洗面所で聖龍の手を洗って、そのまま抱きかかえ寝室へ運ぼうとしたが、聖龍のパジャマが汗でぐっしょりとなっている事に気づき着替えさせる事にした。

 着替えを持って来るために、聖龍をソファーに寝かせた奏は寝室に着替えを取りに行った。

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