7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
俺の子供達

 翌日。
 
 記憶を失い不安なまま一晩過ごした奏弥。
 腕を骨折している為、食事は一人では食べれない事から奏が付き添ってくれている。
 昼間はケアさんが来てくれる事になっている。

 一晩過ぎて後からくる痛みも出て来て、噛む事も苦痛な奏弥はゆっくりと朝食を食べていた。

 ピピッ…。
 奏弥の鞄から携帯電話の音がした。

「あら、誰かから電話の様ね。どうする? 出てみる? 」
 
 奏が尋ねると奏弥はゆっくり頷いた。

 鞄から携帯電話を取り出した奏は、奏弥に渡した。
 使える方の手で携帯電話を受け取った奏弥は、表示画面を見てみた。

 するとメールが届いていた。

 片手でメールを開いてみると、写真が添付されていた。
 
 その写真は凛太朗と聖龍が、一緒に写っている写真だった。
 朝起きたばかりなのか、パジャマ姿でまだ眠そうに写っている2人。
 どちらかが自分で撮ったのか、ちょっとぼやけているような感じだが、上手に撮れている。
 メッセージは何も書かれておらず、写真だけ添付されていた。

 その写真を見た奏弥は、そのまま固まったようにじっと見つめていた。

「どうしたの? 」
 
 奏が携帯電話を覗き込んだ。

「あら、凛太朗君と聖龍君ね。自撮りかしら? 起きたばかりの様ね」

 凛太朗…聖龍…。
 その名前を聞くと胸がざわつき、熱い想いが込みあがってくるのを奏弥は感じた。

 だが、写真の向こうに小さな男の子が見えて来てその姿にドキッとした奏弥。

 凛太朗と聖龍に似ている感じで、なにか奏弥を励ましているようにも見える。

(お兄ちゃん、大丈夫? )
(はい、これ。僕のおやつだけど、お兄ちゃんにあげるね。元気出してね)

 遠い昔に言われた声が頭の中に響いてきた。

(有難う、翔次)
 奏弥は男の子にそう言った。

「…翔次…? 」

 翔次の名前を呟いた奏弥に、奏はん? とした目を向けた。
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