彦星さまは会いたくてたまらない
七夕の夜に





☆衣織side☆




「天の川、キレイだなぁ」



七夕の夜。



「7月7日に雨が降らないなんて
 何年ぶりだろう」


私は、石段を100段上った先にある

言霊(ことだま)神社のベンチに座り

星を見上げている。




よく思うんだ。



織姫だった頃

七夕が一日でも晴れていたら

私は彦星さまと

再会できたんだろうな。



今頃、天の川のほとりで

幸せに暮らしていたのかも

しれないなって。





未練がましい?

それが私なの。


生まれた時からずっとそう。

だから、もう慣れっこ。




あ~あ。

「大好きな人と再会することが
 生きる希望だったのになぁ」


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