あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
踏み出す1歩~弥生side~
あるホテルの一室。


これで最後、そう決めていた。


「次はいつにする?」


「今日で終わり。もう会わない」


「はぁ? 何言ってんの?」


「奥さん、2人目妊娠してるんでしょ? 園長も喜んでたし」


私の不倫相手は……


うちの保育園のベテラン女性園長の息子。


保育園に遊具や文具を卸す仕事をしてて、うちにもよく出入りしてた。


イケメンの彼と話すのが楽しくて、すごく気になってしまって。


そしたら、そのうち向こうから声をかけてきた。


『弥生ちゃん、俺と付き合ってほしい。あっ、もちろん妻子持ちだってわかってるよね。でもさ、そういうの抜きにして告白する。俺は、弥生ちゃんのことが好きなんだ。これからもずっと一緒にいてほしい』


そんなこと言われて嬉しくないわけがなかった。


彼氏もしばらくいなかったし、いろいろ寂しくて。


だから……つい誘いに乗った。
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