あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
友情は未来へのドアを開く~理久side~
「彩葉先生。すみません、最後まで残ってもらって。どうしても話したいことがあって」


「ううん。今日は大丈夫だから気にしないで」


誰もいない保育園。


奥の保育室で2人きりで話す。


本当なら彩葉先生をご飯に誘いたかったけど、婚約者がいる人に、それはできなかった。


「雪都君のパパは本当にイケメンですね。何度見てもそう思います」


「……うん」


少し答えにくそうにしてる彩葉先生。


さっき保育園に来て、雪都君を連れて帰った九条さんは、登場から退出まで、あまりにも爽やかでカッコ良かった。


そんな姿を見て、他の先生達もみんなキャーキャー言ってて、相変わらずのミーハーぶりには笑ってしまう。


どこまでもいっても本物のイケメンには敵わない、敵うはずがないと思い知る。


それに……


あの人は、イケメンということ以外にも僕に無いものを全部持ってる。


どれだけ頑張ったところで、僕が勝てる要素なんて何ひとつないんだ。
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