S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
9章:デート

―――気づいたら、夜が明けていた。

 目の前に要さんがいて、さらに自分の状況が裸だと言うことに気づき、ひっ、と小さく悲鳴をあげる。
 要さんはそんな私に気づくと頭を優しく撫でた。

「身体、大丈夫か?」
「だ、大丈夫なわけないですよね⁉ 想定外すぎて、言葉になりません!」

 思わず要さんから逃れるように身をよじる。
 しかし逃さないと言うように、要さんの腕の中にもう一度収められる。

 そうされると、昨夜の熱が思い出されて、胸も、身体も、きゅう、と反応する。
 絶対今、耳まで真っ赤だ。

 そんな私をさらに追い詰めるように、要さんは私の耳元に唇を寄せる。

「どこも全てかわいかった」

「っ!」

(なにこの羞恥心を削るタイプの意地悪は!)
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