不妊の未来

第十四章



その後、離婚届を提出し、手術を受けた茉由は半年ほど実家でゆっくり過ごしてから益田に声をかけてもらい、京都の益田が勤めるクリニックで胚培養士として働き始めた。

大和が益田に話をしてくれたということが言われずとも分かった茉由。

大和に感謝しながら今まで以上に仕事に邁進。

理玖は職場の女性と再婚したと茉由は人伝に聞いた。
子供が出来たのか。
そこを離婚後数年が経過しても気になった茉由だが、再婚相手が子連れであったため、血の繋がりはないにしても父親となったのだと聞き、よかったと胸を撫でおろした。

大和は変わらず仕事に追われる日々。

数年後、実家の医院を継いでさらに忙しい毎日を送る大和の唯一の楽しみは益田から聞く茉由の話し。

益田「もうすぐ50になるっていうのに全然変わらないんだよ。美魔女だな、あれは」

大和「誰かのものになってるってことはないよな?」

益田「俺が知る限り……ないな」

そう聞くたび、大和の胸は高鳴り、再会を心待ちにする。

そして茉由の50回目の誕生日。
大和は抱えきれないほどの薔薇の花束を手に、京都行きの新幹線に飛び乗った。



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