不妊の未来

第十二章

○茉由実家(夜)

京都から帰って来た日の夜。
茉由は実家の自室でパソコンを開き、調べ物をしている。

茉由「法律上の離婚理由が必要なのは……」


茉由が見ているのは離婚に関する記事。
それを読み上げていく。

茉由「訴訟で判決離婚するケースのみ」

つまり協議や調停で離婚する場合には、「子どもができない」「夫に不信感を抱いた」「お互いに新しい人生を歩みたい」などのどのような理由であっても「夫婦が離婚に納得していたら」離婚できる。

きっと理玖のことだから離婚を口にしても泣き縋るとか狼狽えるなんてことはないから、茉由が言い出せばきっと離婚に納得はしてくれるだろう。


茉由「でも……」


帰りの車内での杏菜との会話を思い出す。

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