愛なんて知らない
俺は彼女が好きだった。彼女の名は星野美琴(ほしのみこと)という。いつも悪戯を企んでいるような目と、よく笑うその笑顔にぞっこんだった。

卒業までもう時間がない。卒業したら会えなくなる。来年から俺は東京の大学に通うことが決まっているし、美琴は実家のある神戸に帰るという。高校に通っているあいだ、彼女は親戚の家に居候していたらしい。
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