俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました
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「―――――お前……美夜(みよる)……か……?」

信じられないと零したのは、美夜が4年前、二度と会うまいと連絡を絶った男、志波音夜(しばおとや)だった。

――――――やばい。

とっさに顔を背けたが、そんなもので誤魔化せるはずがない。


(違います。人違いです)

そう言いたかったけれど、そんなちっぽけな抵抗は、すぐにバレる。

ここに逃げてくる前……当時は、毎週のように顔を合わせていた。
そして今は、雇用主となる立場の人だ。

バチンと両頬に衝撃がきた。
両手で頬を挟まれて、逃げ場を失った。綺麗な顔がぐいっと迫り、動揺した視線を彷徨わせる。
目の前に迫る、獲物を逃すまいとする瞳を懐かしく感じた。

大きな手は、存在を確かめるように鼻筋や目元に指を走らせた。
ああ、あの夜も指が綺麗だなんて思ったんだっけ。
久しぶりに聞いた声に、意識が4年前に飛んだ。


人生どん底だと思っていたあの時、たしかに自分はこの男に救われたのだ。
思いがけない優しさに甘えてすがって、――――そして逃げた。
そこまで思いだし、懐かしさと申し訳なさに、胸がぎゅっと締め付けられた。
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