一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
やきもち
「和真!」
開店前の店内に響く女性の声に私は聞き覚えがあった。
「松本店長!」
私の隣で作業をしていた花音が、その女性の方に近づく。

視線の先には、桐生店長と、元本店店長の松本店長。

松本店長はバリバリのキャリアウーマンで、今期からニューヨーク支店に移動になった。
私も新入社員のころから育ててもらった、姉御肌の面倒見のいい店長だった。

「あらっ花音ちゃん!久しぶり。元気だった?」
「松本店長、どうしたんですか?」
「今は一時帰国中なのよ。こっちで商談があってね。新商品の開発に必要な生地の調達に来たの。」
「えーうれしいです!お会いできて。」
嬉しそうな花音。
私も挨拶をしようと松本店長に近づく。
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