お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
第六章 まりか、ずっと俺の側にいろ
たわいもない話に花を咲かせて、俺の心は穏やかだった。

ある日、リカからとんでもない事実が告げられた。

「隼斗、落ち着いてよく聞いてね」

「なんだよ」

「まりかさんは胆管に腫瘍が見つかったの」

「えっ」

「癌よ」

「そんな……」

俺の目の前は真っ暗になった。

「でも、手術すれば、生存率は格段に上がるわ、でもとても難しい手術なの」

俺の手の震えはますますひどくなった。

「隼斗、まりかさんの借金を払った相手覚えてるでしょ、東洋総合病院の外科医、東洋仁」

「ああ、忘れないよ」

「東洋仁は胆管癌の手術の名医よ」

俺はリカの話を黙って聞いていた。

「胆管癌はとても難しい手術よ、周りの臓器も切除しないといけないの」

「だから……」

「だから、東洋仁に頼むのが得策だと思う」

「お前だって医者だろ、まりかを治してくれ」

「私には無理よ」

「俺に奴に頭を下げろと言うのか」

「はっきり言うわ、それ以外まりかさんの命を助ける方法はないわ」

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