ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
エピローグ
今日は、盛大な式典が開かれる日である。
 若き王エヴァンドロは、大きな功績を挙げたと、国中大騒ぎであった。その裏にある事情を知る者は、ごくわずか。
 セアルド王国はガラティア王国と併合することになった――というのが、エドとシアとセアルド国王が話し合った結果生み出された裏技であった。
 シアと女神の約束は、『ガラティア王国に女神の加護を与える』というものである。
 セアルド王国は、セアルド領と名を変更し、ガラティア王国の一部となった。国王は王位を返上し、セアルド王国国王から、セアルド公爵となった。
 ずいぶん荒業だとは思うが、しかたない。シアが女神と約束した加護は、エドの治める国にしか与えられないのだから。

(……あちらも、大変だという話だし)

 街中は大騒ぎだが、シアは今日もベラの店で店番だ。ポーションを納品しに来たはずが、店番に駆り出されるのもあいかわらずである。
 ベラはエドの正体も、シアの正体も知っている。それでも、〝エド〟と〝シア〟として扱ってくれるから、ここで過ごすのは楽なのだ。
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