深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
報告
恭也はすぐに私が住んでいるマンションの解約をして、私の荷物を運び出す手配をした。

忙しい中での早い行動だと、これまた感心した。

そして、私は小野田家に訪問してから三日後の夜、恭也のマンションに戻った。

「忙しいのに、ありがとう。仕事は大丈夫?」
「今日の分は終えてるから、心配ないよ」

彼は私を職場まで迎えに来て、マンスリーマンションを退去するための片付けも手伝ってくれた。

ほとんどが備え付けの家具や電化製品だったから、荷物は多くなかった。

実家に送った物は、まだそのまま置いてある。

そろそろコートを用意する時期だから、送り返してもらうようにしようかな。

そうだ、恭也を紹介する時に持ち帰れば……でも、あの高級な車に段ボール箱を積めるだろうか。

やはり、宅配業者に依頼するのがいいかも。

「さやか、何を考えているの?」

掃除機をかける手を止めていた私は、声を掛けられてハッとなった。

「実家に送った荷物も戻さないといけないなと思って」
「そうか、実家か。あー、別れたり、くっ付いたりして、俺の印象が悪くなっているよな?」
「どうかなー? そうかも」
「あああ……」
「きょ、恭也?」
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