深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
良縁
「おかえりなさい。楽しみにしていたわ」
「ただいま。こちらが、中田さやかさん」

玄関で出迎えてくれたのは、恭也のお母さんだ。紹介されて、私はお辞儀した。

「初めまして、中田さやかと申します」
「恭也の母です。どうぞ、お上がりになってください」
「ありがとうございます。お邪魔します」

用意してもらったスリッパを履き、リビングへと進む。

家の大きさは私の実家と同じくらいだが、センスが良いというか、品のある雰囲気を感じさせる家だった。

小野田家に嫁いだことがある人だからだろうか、お母さんは上品でかわいらしい感じだ。

リビングに足を踏み入れると、ソファに座っていた男性が即座に立ち上がって、ニコニコ顔で私たちの前まで来た。

「おお、おかえり。そちらが恭也のお嫁さんだね。どうぞ、よろしく」

早々と握手を求められ、私は恐縮しながら手を重ねた。

「初めまして、中田と申します。本日は……」
「堅苦しい挨拶はいらないよ。そっちに二人並んで、座ってね」

挨拶を途中で遮られてしまったが、全然嫌な印象は受けない。歓迎されているのを感じたからだ。
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