訳あり子育て中は 御曹司からの猛攻にご注意下さい
誰にも言えない、溢れそうな思い
梅雨が過ぎ、夏になり、登生の保育園でもプールが始まった。
水が大好きな登生は頭をつけることも平気なようで、毎日喜んで潜っているらしい。

「今日もプールだったの?」
「うん、たのしかった」
「そう」

元々色白な登生だから焼けて黒くなるってことはないけれど、血色もよくたくましくもなってきた。子供の成長ってとっても早いなと、こんなところからも実感する。

「さあ、帰ろうか」
「うん」

プールが始まったことで、水泳用のバックが荷物に加わり、週末のお迎えは大荷物になってしまった。
普段の登園カバンに水泳用バックと週末はお昼寝布団の持ち帰りもあって、自転車送迎の私には危ないため、金曜は徒歩でのお迎えと決めている。
月曜の朝は淳之介さんが送ってくれるし、金曜も淳之介さんは迎えに行くって言ってくれるけれど、さすがに仕事をおろそかにしてもらうわけにもいかず、「大丈夫、困ったらタクシーを使いますから」と言い続けている。

それにしても、いつまでも淳之介さんに甘えてばかりもいられない。そろそろ本気で住む所を探さなければいけない。
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