クールな御曹司は湧き立つ情欲のままに契約妻を切愛する
利害の一致

新緑が眩しい今は、私の大好きな季節だ。木々に水を撒けばキラキラと水滴と太陽の光が反射してとてもきれいに輝く。

そんな木漏れ日が心地よくて、ついバイト中にも一人笑顔が浮かんでしまう。

「瑠璃ちゃん、いつもお手入れありがとう」

「いえ」

柔らかな声が聞こえて笑顔を引っ込め振り返ると、そこにはスラリとした一人の女性が立っていた。私のバイト先の店長である長谷川(はせがわ)一葉(かずは)さん。確か二十九歳だったと記憶している。濃いブラウンの髪を緩く結い上げ、ブラックの制服を着こなしている。
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