婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で！？溺愛はすぐ側に〜

卒業パーティーまで三日

(ローズマリーside)



ローズマリーは大きな声と何かが激しく壊れていく音に耳を塞いでいた。


「我々の作戦が台無しではないか……！どういうことだッ！一体何故こんな事に」

「……っ」

「よりにもよってウォルリナ公爵にバレるなど……ッ！クソッ、クソォ！！！」


養父であるシーア侯爵は、その辺にあったものを掴んでは放り投げてを繰り返していた。
床には様々なものが落ちていて、花瓶が割れて破片が散らばっても尚、気は治らないようだ。
侍女たちと共に、部屋の隅で侯爵の気持ちが落ち着くのを只ひたすら待っていた。

耐えて耐えて機会を伺って成り上がっていく。
折角手に入れた貴族としての地位を……絶対に離したくはない。
だから何があっても耐えなければならない。そう思っていた。


ーーローズマリーは古びた教会の孤児院で育った。


食べ物の取り合いは日常茶飯事。
今とは違ってボロボロの雑巾のような服を着て、毎日必死な思いで生きてきた。

此処では強い者が全てを得て、弱い者が全てを失う。

そうやって上手く立ち回っていかなければ生き残る事は出来ない。
幼い頃から、そう叩き込まれていた。
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