断罪された公爵令嬢は元婚約者の兄からの溺愛に囚われる

6.永遠の絆を結ぶ石

 着々とジャックさまとの結婚準備が進んでいる。ウェディングドレスとティアラなどの装飾品は、華やかで繊細なデザインが得意な新鋭デザイナーにお願いした。
 ティアラとジュエリーは、幸せを運ぶと言われている蝶をモチーフに提案してもらった。

 結婚式には真っ白なドレスに紫水晶を贅沢に散りばめた豪勢なデザイン。披露宴にはラベンダー色のドレスで、たくさんの小花が咲いたデザインに。

 そして、今日は、ジャックさまとお揃いのアクセサリーを購入するため、皇都で人気のお店に向かう予定だ。

 ――ジャックさまとの初デート……。

 朝から侍女のリラが、張り切って着飾ってくれたので、いつもよりも華やいで見える。昼間だから宝石も露出も少ないのに、侍女のリラはとっても有能だ。
 支度が終わった頃に、ジャックさまが、我が家の正門から馬車で迎えに来てくださった。

「ヴィー、お待たせ。今日も一段と綺麗だ」
「……っ!」

 ジャックさまは、わたくしに跪き、手の甲に唇を落とす。
 服装を合わせた訳ではないのに、わたくしと同じく、青を基調にしたコーディネートをしている。まるでリンクコーデのようで、顔が熱くなってしまう。

「ご、きげんよう、ジャックさま……っ!」

 火照った顔を隠すように、目を伏せながらカーテシーをすると、いつの間にか立ち上がっていたジャックさまが、わたくしの頬に触れる。

「寂しいからこちらを見て」
「っ!」

 くいっと顎を優しく持ち上げられると、熱っぽい瞳と視線が重なった。とろけそうなほどの甘くて強い意志を感じて、目をそらせない。真っ赤で恥ずかしいお顔が、ジャックさまに見られてしまって、顔から湯気が出そうだ。

「君の視線ですら、僕から逃げると不安になる」
「申し訳ありません。恥ずかしくてジャックさまのお顔を見れなくて……。っでも、ジャックさまから逃げるだなんてあり得ませんわ。ご安心くださいませ」
「うん、ありがとう」

 ジャックさまが、わたくしだけを見ている。
 ――何だか改めて好かれてると実感して、胸がきゅっとした。

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