猫かぶりの柳沢くんは、独占欲が強め
▲守る▲
*
柳沢くんの彼女のフリをすると約束させられてから数日。
やっぱりあの話は冗談だったんじゃないかな……なんて期待はあっさり崩れ落ち、あの日から私の生活は一変した。
朝は駅で待ち合わせて登校。昼は一緒にご飯を食べて、放課後また一緒に帰る。
周囲にもしっかり彼女宣言しているし、殺傷能力のある微笑みを惜しげもなく向けてくる。
といってもこの行動はあくまで演出。
登下校中でも桜崎高校の制服を着た人が周りにいなくなれば距離を空けるし、二人になった瞬間に口が悪いひねくれバージョンの柳沢くんが現れる。
とにかくそんな演出のおかげで、柳沢くんのお望み通り、私は柳沢くんの「彼女」と認識されるようになった。
「いやー、でもびっくりよね。柳沢に好きな人がいるらしいって話はあったけど、それが葉澄のことだったなんて。好みのイケメンと付き合えて良かったじゃない」
なっちゃんですら、こんな風にすっかり信じてしまっている。
しかも都合の悪いことに、なっちゃんは柳沢くんの顔は私好みなのだと思ったままだ。
柳沢くんの彼女のフリをすると約束させられてから数日。
やっぱりあの話は冗談だったんじゃないかな……なんて期待はあっさり崩れ落ち、あの日から私の生活は一変した。
朝は駅で待ち合わせて登校。昼は一緒にご飯を食べて、放課後また一緒に帰る。
周囲にもしっかり彼女宣言しているし、殺傷能力のある微笑みを惜しげもなく向けてくる。
といってもこの行動はあくまで演出。
登下校中でも桜崎高校の制服を着た人が周りにいなくなれば距離を空けるし、二人になった瞬間に口が悪いひねくれバージョンの柳沢くんが現れる。
とにかくそんな演出のおかげで、柳沢くんのお望み通り、私は柳沢くんの「彼女」と認識されるようになった。
「いやー、でもびっくりよね。柳沢に好きな人がいるらしいって話はあったけど、それが葉澄のことだったなんて。好みのイケメンと付き合えて良かったじゃない」
なっちゃんですら、こんな風にすっかり信じてしまっている。
しかも都合の悪いことに、なっちゃんは柳沢くんの顔は私好みなのだと思ったままだ。