真面目系司法書士は年下看護学生に翻弄される

お世話になった林さん



あまり同じ月例の赤ちゃんと接する機会がないので、近所の児童館へ遊びに連れていった。帰宅すると家にお客さんが来ていた。

スーツ姿のその男性は「こんにちはお邪魔してます」と私に挨拶をした。優菜も「どうも」と頭を下げた。家の中まで上がり込むなんて、なんかの怪しいセールスマンかもしれない。
兄はお人好しだ。もしかして高額商品を買わされてるんじゃないかと心配になった。

「優菜お前もこっちにこい」

呼ばれたので仕方なくベビーカーで眠ってしまった朝陽をベッドに寝かせて兄の横へ座った。
お客さんに、何も出していないようだったので、お茶を用意しますねと台所へ立つ。

「いえ、お構いなく」

男性は言ったが、気にせず立ち上がり男性に背を向けた。

視線が気になる。気持ち悪いくらいに私を見ている気がした。
変な人じゃないだろうか、大丈夫だろうか心配になった。知らない人が家に上がると何より子供の安全が気になる。
朝陽の様子を見るとぐっすり寝ているようなので、良かったとひとまず安心して、額にかかる前髪をそっと左右に分けた。
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