Late teens story

Gem days1

〜じゃあ 女は好きか?〜

中等教育を終え 理容専門学校を卒業した
香取明日和(かとりあすか)は平成元年 地元の町から40kmくらい離れた名古屋にある理容店に就職した。

明日和の通っていた専門学校は名古屋にあり 1年間は電車通いをし専門学生時代にできた友達も この都市に居たため 都市には慣れていた。

とはいえ 都市生活を本格的に過ごすのは初めてなので その新鮮さに心はトキメイていた。

だから都市生活に浮かれた心のまま理容店 初日の業務に入った明日和は そのギャップで いきなり辞めたくなるほどだった!

一瞬にして 社会の現実を見せつけられ浮かれ気分を打ちのめされた明日和の目まぐるしい1日も あっという間に過ぎ 店内の掃除を終え、明日和を含めスタッフ8名が集まり もう一度 挨拶と自己紹介を終えると 住込みを始めた部屋へと上がって行った。

この建物は 長屋で店舗の一軒づつが長細い間取りになっていて 明日和の務める理容店は一階が店で2階に見習いスタッフが住み込んでいた。

道路側(正面)から八畳、四畳半、六畳、四畳半といった感じで部屋が並び 昔ながらの長屋の為 部屋の区切りは ガラス戸があるだけで そのガラス戸も取り外されて 全部屋が見渡せるようになっていた。

今では 全く考えられない環境で スタッフが住み込んで生活していたのであった!

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