Late teens story

Gem days9

〜さよならKids kat ふたつ分の涙〜

SEDITIONARIESの青いピーターパンシャツにアクアブルーのチェックのネクタイを締めて
黒いDr.Martens8ホールを履き 出かけようとした時、階段の上から

マジ(ホントに行くの?大丈夫?)

明日和(うん。かおりさんに自分から ちゃんと伝えたいし、沙彩さんと約束したから)

マジ(あんまり無理しないで なるべく早く帰ってきなよ)

明日和(うん。ありがとう。行ってくるね)


夕焼けに染まる街並みを電車は走り 明日和は かおりの働く街へと行った。

前回、ひとりでこの駅まで来た時には、かおりは上品な黒いドレスを着ているのに、無邪気に手を大きく振って満面の笑みで迎えいれてくれた。

だけど今日はひとり クラブcharadeまでゆく。

あの時、かおりは堂々と手を繋いで歩いてくれた。

一緒にハンバーグも食べてくれた。柔らかい手の温もりが既に懐かしい。

自分の不甲斐なさのせいで ぶっ壊れてしまいそうな体にしっかり力を入れて、 charadeの前に立ち階段を上がりきると、


ボーイ(いらっしゃいませ。ようこそクラブcharadeへ)

(本日、ご指名の女の子はございましたか?)


明日和(かお、、、スミレさん、スミレさんをお願いします。)

ボーイ(スミレさんですね。かしこまりました) ((お客様、スミレさんご指名です))


(お客様 一名様入りまーす!)


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