身代わり花嫁として嫁ぎましたが、どうやら旦那様も身代わりのようです?

第18話 ユーリという存在 ※カレンside

 ロンベルク騎士団は、男も女も関係なく登用してくれる貴重な騎士団だ。

 主な行動範囲であるロンベルクの森は木々も深く生い茂り、馬もまっすぐに走れないようなうっそうとした場所。力技だけではどうにもならないこの任務地では、小回りが利き、多彩な動きができる、そういう騎士が求められる。

 自然と女性騎士が増えていった。

 騎士学校の同期のリカルドとユーリは従兄弟同士。飄々としていて軽いリカルドと、真面目一辺倒で純粋なユーリは、とても対称的。
 男女の差を気にせずに三人でよく連んでいたけど、そんなバランスはある時崩れた。

 ユーリが、私のことを好きだと告白してきたのだ。

 二十歳になりたての頃だったか。たまたま他の用事があって来れなかったリカルドのせいで、私とユーリの二人きりで酒場で飲むことになった。

 お酒が入って少し顔を紅潮させたユーリが、私の目を見て言った。

「カレンのことが好きだ。お前を守りたい」
と。

< 50 / 136 >

この作品をシェア

pagetop