激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
6、ハッピーバースデーサプライズ



 連日猛暑が続く夏本番。今日から八月が始まる。

 目を覚ますとまだ部屋の中は薄暗く、枕元に置いたスマートフォンには五時七分と表示されていた。

 まだ早かったな……。

 寝返りを打つとベッドの反対側には透哉さんの姿があった。

 昨晩はまだ仕事があるから先に眠っていいと言われ、ひとりでベッドに入った。

 私が眠りについてから、深夜に仕事を終えて眠ったに違いない。

 初めて一緒にベッドに入った日以来、ふたりのタイミングが合えば並んで眠るようになった。

 そのときは決まって透哉さんは私を腕の中に抱いて眠りにつく。

 初めてのときは物凄く驚いたけれど、繰り返すうちにそれは当たり前のようになった。

 でも、慣れるものではない。毎度毎度緊張して、鼓動はバクバク高鳴る。

 密着したら、きっと私の忙しない心拍は気づかれているのではないかともう諦めているくらいだ。

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