俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
番外編 明かされた嘘と真実
番外編 明かされた嘘と真実

 二次会もおおいに盛りあがり、解散したのは夜十時過ぎだった。

「じゃあ、おつかれさま~」
「おやすみー!」

 別れの言葉を口にして、みんながそれぞれの帰途に就く。この辺りは駅がいくつかあるので、行き先はバラバラだ。南も私鉄の駅に向かって歩き出す。と、その背中に声をかけられた。

「南ちゃん! 待って、俺もそっち」

 追いかけてきたのは中野だった。南は軽く首をかしげる。彼の住まいはJR沿線だったと記憶しているからだ。

「今夜は実家に帰るんだ」

 南の疑念を察したのか彼が説明を加えたが、どことなく言い訳めいて聞こえた。南はくすりと笑う。

「そんなこと言って、本当は新しい彼女の家にでも行くんじゃないですか?」
「ははっ。さすが鋭いね、南ちゃんは」
「若作りしてても、もう三十路ですからね」

 自分の童顔はあまり好きではない。性格と合っていないせいか、なんだかチグハグな感じがするのだ。外見のせいで男性に『かわいらしさ』を期待されるのも面倒だった。
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