俺様御曹司の契約妻になったら溺愛過剰で身ごもりました
二章
二章

 そうして迎えた見合いの日。

『よし、決めた! 俺たち、結婚しよう』

 とんでもないことを言い放った善の顔を日菜子は瞬きもせずに見つめていた。

(なにを……俺たち? 結婚?)

「プロポーズを受けたって顔じゃないなぁ。驚くにしても、もうちょっとかわいい顔をしてくれよ」

 彼が楽しげに笑うほどに日菜子の眉間のシワは深くなっていく。

「すみません。私、ちょっと頭痛が……今日はもう帰ってもよろしいでしょうか」

 早口に言って立ちあがったが、テーブルの上の日菜子の手に彼の大きな手が重ねられた。日菜子は思わずビクリとする。
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