もう一度、君を待っていた【完結】
プロローグ



夢を見た。

『友達になろう』

そう声を掛けてくれる人が現れて、私に手を差し伸べる。
ぼやけて顔の細部は見えないがその人は笑っているようで私が頷くとその人も嬉しそうだった。差し出された手に自分のそれを重ねようとした瞬間目が覚めた。

「なんだ、夢か」

自嘲するように笑って起き上がる。
現実は変わらないし、変えられない。早くこの世から逃げたい。
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