やり直しの人生では料理番の仕事に生きるはずが、気が付いたら騎士たちをマッチョに育て上げていました。 そしてなぜか、ボディビルダー王子に求愛されています!?
12
ステファノは微笑むと、頷いた。
「期待しておるぞ」
固唾を呑んで見守っていた四人の顔にも、笑顔が浮かんだ。ステファノは、アントニオに立つよう促した。
「食堂へ戻れ。細かい手続について、ドナーティが説明する」
「承知しました」
アントニオがステファノに一礼して、去って行く。そこでステファノは、ビアンカの方を見た。
「さて、次はそなたの番だな。私の専属料理番になる件だが……」
「あ、はい。ボネッリ伯爵から伺いました」
ビアンカは、ステファノの目を見て告げた。
「大変光栄なお話ですが、辞退させていただきたく存じます」
「ええ!?」
派手な奇声が上がる。だがそれは、ステファノのものではなかった。ジョットが発したのだ。ステファノににらまれて、彼はハッと口を押さえた。
「し、失礼を……」
「何だ。言いたいことがあるなら、申してみよ」
「ええと、その、でございますね……」
しどろもどろになりながら、ジョットが言葉をつむぐ。
「私どもは、ビアンカちゃ……こちらのビアンカ嬢が、殿下の料理番となって王都へ行くと、思い込んでおりまして……。アントニオが、王立騎士団に入る決意をしたのは、彼女が共に王都へ行くからではないかと。まさか、話が固まっていなかったとは、つゆ知らず……」
「期待しておるぞ」
固唾を呑んで見守っていた四人の顔にも、笑顔が浮かんだ。ステファノは、アントニオに立つよう促した。
「食堂へ戻れ。細かい手続について、ドナーティが説明する」
「承知しました」
アントニオがステファノに一礼して、去って行く。そこでステファノは、ビアンカの方を見た。
「さて、次はそなたの番だな。私の専属料理番になる件だが……」
「あ、はい。ボネッリ伯爵から伺いました」
ビアンカは、ステファノの目を見て告げた。
「大変光栄なお話ですが、辞退させていただきたく存じます」
「ええ!?」
派手な奇声が上がる。だがそれは、ステファノのものではなかった。ジョットが発したのだ。ステファノににらまれて、彼はハッと口を押さえた。
「し、失礼を……」
「何だ。言いたいことがあるなら、申してみよ」
「ええと、その、でございますね……」
しどろもどろになりながら、ジョットが言葉をつむぐ。
「私どもは、ビアンカちゃ……こちらのビアンカ嬢が、殿下の料理番となって王都へ行くと、思い込んでおりまして……。アントニオが、王立騎士団に入る決意をしたのは、彼女が共に王都へ行くからではないかと。まさか、話が固まっていなかったとは、つゆ知らず……」