やり直しの人生では料理番の仕事に生きるはずが、気が付いたら騎士たちをマッチョに育て上げていました。 そしてなぜか、ボディビルダー王子に求愛されています!?
13
「おかげさまで、楽しく過ごさせていただきましたわ。ステファノ様からお気遣いをいただいて、妹も婚約者も両親も、皆感謝しております。あ、それからボネッリ伯爵も、街道整備は順調と言っておられましたわ」
そうか、とステファノは満足そうに頷いた。
「妹君の婚約者は、武芸試合に参加しておられたな。弓の腕前に見所があったと、記憶しておる。父君の良き助けとなるとよいな」
皆考えることは同じなのね、とビアンカは思った。
「そうですわ、ご報告がございます。チェーザリ伯爵に加担していた当家の侍女が、罪を告白しました。父としては、解雇した上で領地から追放、という処分を考えているようですが。ゴドフレード陛下のご判断を仰いだ方が、よろしいでしょうか? 王家の紋章の無断使用に関わったわけですが……」
「兄上のお手を煩わせることはなかろう。父君のご判断に任せるとしよう」
ステファノは、あっさり答えた。
「承知しました。……そして、今度はめでたいご報告ですわ。すぐ下の妹のルチアですが、彼女も結婚が決まりましたの。私は全然知らなかったのですが、アントニオさんと好き合っていたようですわ」
さぞや驚くだろうと思ったのだが、ステファノは合点したような顔をした。
「さようか。ようやくまとまったのだな。それはよかった」
まるで、待っていたという気配である。おまけに、ものすごく嬉しそうなのは気のせいだろうか。ビアンカは、首をひねった。
「ステファノ様。私の存じない所で、ルチアと色々話されているのですか? そういえば、クラリッサ様の修道院の場所も、彼女には教えられたとか」
思い出すと、気になってくる。ビアンカは、ステファノの顔をチラと見た。
「私には、教えてくださいませんでしたわよね。一体、なぜ……?」
するとステファノは、呆れたようにため息をついた。
「ビアンカ。そなたは賢い娘だが、時折とんでもなく鈍感だな」
そうか、とステファノは満足そうに頷いた。
「妹君の婚約者は、武芸試合に参加しておられたな。弓の腕前に見所があったと、記憶しておる。父君の良き助けとなるとよいな」
皆考えることは同じなのね、とビアンカは思った。
「そうですわ、ご報告がございます。チェーザリ伯爵に加担していた当家の侍女が、罪を告白しました。父としては、解雇した上で領地から追放、という処分を考えているようですが。ゴドフレード陛下のご判断を仰いだ方が、よろしいでしょうか? 王家の紋章の無断使用に関わったわけですが……」
「兄上のお手を煩わせることはなかろう。父君のご判断に任せるとしよう」
ステファノは、あっさり答えた。
「承知しました。……そして、今度はめでたいご報告ですわ。すぐ下の妹のルチアですが、彼女も結婚が決まりましたの。私は全然知らなかったのですが、アントニオさんと好き合っていたようですわ」
さぞや驚くだろうと思ったのだが、ステファノは合点したような顔をした。
「さようか。ようやくまとまったのだな。それはよかった」
まるで、待っていたという気配である。おまけに、ものすごく嬉しそうなのは気のせいだろうか。ビアンカは、首をひねった。
「ステファノ様。私の存じない所で、ルチアと色々話されているのですか? そういえば、クラリッサ様の修道院の場所も、彼女には教えられたとか」
思い出すと、気になってくる。ビアンカは、ステファノの顔をチラと見た。
「私には、教えてくださいませんでしたわよね。一体、なぜ……?」
するとステファノは、呆れたようにため息をついた。
「ビアンカ。そなたは賢い娘だが、時折とんでもなく鈍感だな」