心の温度

移籍話し

書斎では***

「まぁ、座って悟くん。」
「はい」
「悟、仕事の話しなんだけどさ、今、佐藤側と話しをしてるんだけど、悟はこのまま地元の佐藤へ移籍したらどうかという話しをしてるんだよ」

「移籍?」
「そう。悟の地元だし結婚もした。このプロジェクトは佐藤の方の事情で無理矢理スケジュールが詰まってる亮のデザインでの受注になったんだけど、亮もヨーロッパの方の案件があるからさ、きっとお前たちの結婚式の後ヨーロッパへ行くと思う。デザインだけ残すからほとんどのメインは悟になると思うんだ。
ただ、佐藤側も残された悟が実力を発揮してリーダーの代理を務めたら、悟が移籍しても佐藤建築工業の社員達の不満などの問題はないと考えているんだ」

「悟くん。結婚して彩音さんや実家の親御さんもいてくれたら君も本来やりたかった都市開発の仕事ができると私も考えてるんだ。
君は井上不動産の設計課にはもったないと思っている。
都市開発は佐藤建築工業の方が受注が多いからな」

「……」と考えている悟。

「移籍と言っても今のプロジェクトが終わってからの話しになるから、七海ちゃんと啓太くんも小学生になってるかな」と大輔。

「このお返事は、プロジェクトの佐藤リーダーがヨーロッパへ戻られて、リーダーのデザインからの製図起こしをしてからでもいいですか?俺がリーダーの代わりが務まるか自分でも見極めたいので…」

「もちろんだよ。移籍しない場合は井上不動産へ戻れば良いから。」
と悟の移籍話しだった。悟も真剣に考えて答えを出そうと思った。
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