心の温度

結婚から現在

彩音は純一の大事な話しとは何なのか
気になった。

結婚の挨拶をしに純一の実家へ行った時
純一の両親は反対こそしなかったが
反応はイマイチだった事を思い出す…

純一の実家の旅館で披露宴の時には
「みなさん、私も結婚を致しましたし
来年の春からこの旅館に入る事に
しましたので宜しくお願いします」
っと突然宣言した。

結婚式の夜
「純一、来年の春から実家に入るって聞いてないんだけど」

「ああ、ほら付き合うときいずれ旅館を継ぐって言ってただろ?」

「うん…でも一言私にも話して欲しかったな」

「ホテルももう4年働いたし、
旅館の仕事も一人前になるには
時間もかかるからこれからは
俺は実家に住みながら週に2日は
マンションに戻ってくるつもりなんだ」

「え?もう決まってるの?」

「ああ、父さんも母さんも
そうしろって言ってるんだ。
だってお前は会社あるだろ。」

「まぁ…でも私も純一の実家に
入った方が良いんじゃあない?」

「お前がうちに入っても旅館での
経理はベテランの事務がいるし、
あそこからお前の会社への通勤は
無理じゃん。
うちの親も了承してるし大丈夫! な!」

「うん…」
彩音は結婚前の恋人同士の時は
何でも相談しあっていたのに
結婚をして純一が変わったように
感じたが、新婚旅行もその後の
マンションでの生活でも
いつもの純一だったので
純一の実家は由緒ある旅館なので
仕方ないかなぁと自分に言い聞かせた。
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