婚約破棄から始まる悪役令嬢の焦れったい恋愛事情

パーティーは波乱の予感!?

あの後、ニヤニヤとしているリロイと心理戦を繰り広げつつ、持っていたクジを引いた。
パーティーに出るペアが決まったのだが一つ、問題が起きた。

(まさかベルジェ殿下とペアになるなんて……)

そしてルビーとモイセス、リロイとキャロラインがペアとなった。
同じ色のクジを持ってベルジェの方を向いて、気まずさにヘラリと笑うと彼はクルリと背後を振り向いたままプルプルと小刻みと震えていた。
リロイが笑みを浮かべながらベルジェの背中をバシバシと叩いていた。

運命の悪戯か、リロイの悪戯か……。
まるでベルジェとルビーの間に入り『悪役令嬢を演じろ』と言われているようだ。

モイセスを見ると、彼も同じく困惑した様子だった。
ルビーは何故か分からないがクジを凝視したまま固まっている。
キャロラインは「なんでわたくしがリロイなんかと……」と文句を言いながらも喜びを隠せないようだ。

このペアでいいのかと不安になり、その事を問いかけようとする度にタイミングを見計らったかのようにリロイが口を挟んでくる。
次第に話題が流れて何事もなく話は進んでいた。
しかし、やはりこの状況は良くないのではないかと先程とは違い、何故か嬉しそうにしているベルジェの耳元でコッソリと問いかけた。
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