悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
6.スイートポテト
「どうだった?」

帰還してすぐウォルターを呼んだ。
もう夜半に差し掛かっていたが、執務室で待ってくれていたようだ。

「ああ。それよりお前の方はどうだったんだ?対談は問題なく進んだのか?」

「そうだな。それはそれでいろいろあったが…それよりオフィーリアの件だ」

「そうだな。ねらってる輩がいることは確かだ。しょっちゅう男の陰がちらつく。今日はリヴァイ卿が非番だったからかなり気を使ったぞ」

「やはりな」

思っていた通りだった。
最近、オフィーリアの回りに男の気配を感じ始めた。

それがどういう輩なのかはわからないが、オフィーリアを襲うつもりなのかもしれない。
常に付け狙っている感じなのだ。
うまく気配を消しているつもりらしいが、戦場でならした、アシュトンやウォルター、リヴァイにバレないわけがない。

だからリヴァイには常に気を配っているよう命じていたし、自分もかなり注意していた。
いない間はウォルターに頼んであったというわけだ。

「それと…」

ウォルターがにんまり笑った。

「いい話を教えてやろう」

「なんだ?」

「今日帰ったら真っ先に連絡ほしいってさ」

「誰がだ?」

「そんなもん。決まってるだろ。早く行ってやれ」

「って…え?!まさか」

「ああ。まぁ俺の方は対談に問題がなかったのなら特に何もいうことはない。明日ゆっくり聞かせてもらうよ」

トンと肩をたたかれた。

「素直になったほうがいいぞ。お前も」

「わかった。では行く。対談の報告は明日だ。できれば2人でやりたいので、昼から空けておいてくれ。2階でやろう」

ぴくっと眉を動かしてからウォルターが返事した。

「ああ。承知した」

2階の部屋を使うときは人払いをするときだ。要は聞かれたくない内容だとウォルターには暗に示したということになる。
少しややこしい話になりそうなのだ。

それはさておき、アシュトンはオフィーリアの部屋へ急いだ。
おそらく寝ているだろうが…心配してくれていたとなれば、顔を見ずには眠れまい。
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