君を愛せないと言った冷徹御曹司は、かりそめ妻に秘めた恋情を刻む
彼は王子さま
三日後。

私は週に二度、英会話とマナー講座の先生に来てもらい、レッスンを受けることになった。

乗馬クラブは見送る決断をした。郁人さんに言われたからというわけではなく、私にはほかに優先すべきことがたくさんあるからだ。

そんな日々が二週間くらい続き、結婚して一カ月が経ったある日。

朝からお義父さまに呼びつけられ、郁人さんと母屋に向かった。

「明日のパーティーだが、私の都合がつかなくなってね。ふたりで行ってくれないか」

明日、桐嶋家と公私共に親交の深い藤間家主催のカクテルパーティーに、郁人さんとお義父さまが出席する予定だったけれど、急きょお義父さまの予定変更があったという。

そこで私に代理を頼みたいようだった。

藤間家――聞き覚えのある名前だと思っていたらはっとした。以前、真紘さんが『兄さんは藤間家の史乃さんと政略結婚すると思っていた』と言っていた一家だ。

カクテルパーティーとは、夕方から夜にかけて行われる一、二時間ほどの立食形式のパーティーで、人脈作りの場でもあるらしい。

「それなら俺と真紘で……」

「俺やだよ。みちるちゃんのほうが適任だろ」

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