【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

プロローグ

「今日で終わりね……」

 今宵は学園最後の日。

 学園の卒業を祝う舞踏会が、王城の王の間を貸し切り開催されていた。

 まだ相手のいない者は相手を見つけようと着飾り、エルモは最後になるであろうドレスを身にまとう。

「ここにいたのか、エルモ嬢!」

 王子、エルドラッドは国王陛下、王妃の到着を待たず。

 愛しき姫を腰に抱きよせ、舞踏会の中央でたたずむ私――エルモに向けていい放つ。

「公爵令嬢エルモ・トルッテ。あなたとの婚約を破棄する」
 
 乙女ゲームと同じ台詞をいったエルドラッドに驚き、少しの胸の痛みと、これで自分の役目は終わったのだと安堵した。

 すべてを受け入れて。昔と変わり大人びたエルドラッドにドレスのスカートを掴み、深くこうべを垂れる。

(ほんとうなら"エルドラッド様、何故?"だと、泣き叫ぶ場面ですが……こうなる前に散々泣いたので……涙は枯れてしまいましたわ)

 さてと、私からあなたへ、ゲームとは異なる台詞を返しといたしましょう。

「エルドラッド・ファレーズ王子殿下、婚約破棄を承諾いたしました」と。
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